ぐるりグランドサークル

~3日目 2008.4.21(Mon)~
満喫グランドキャニオン




日の出open
 グランドキャニオンでは「時間が無くとも朝日と夕日は見るべき」と、何処のガイドブックにも書いてある。 日の出時間はAM5:47と非常に早いが、これを逃したら一生後悔する!! 頑張って、とても頑張って早起きしました。


 Mather Point(マーサーポイント)には5:20頃に着いた。 日の出前の一番冷え込む時間帯、気温はマイナス5度位。 着込める服を全て着込み、雪ダルマのようにブクブクになりながら日の出を待つこと25分。


 墨絵の様な世界が日の出と共に段々赤味付き、影だった部分に日が当たり陰陽がハッキリしてくる。 名前の付けられない色々な色が現れて、徐々に赤味が消え、緑色が支配してゆく。


 昨日の夕日じゃないけど、やっぱり写真じゃ凄さ・美しさは伝わらないな。 こればっかりは、実際に行った人だけが分かる事だと思う。

 日の出は日が昇ったら終わりって思いがちだけど、グランドキャニオンに限らず日の出は日が昇ってからが綺麗なのだ。 日の出だけ見て帰らなくて良かった。
キャニオン・カフェ(Canyon Cafe)open
 マーケットプラザ内にあるヤバパイロッジのカフェテリア、 Canyon Cafeは朝6時からオープンしている。


 とにかく氷点下の寒空の下に1時間以上もいたため、暖かいコーヒーでも飲みたい!! ここでは、ソフトドリンクだけでなく、コーヒーなどもオカワリ自由だから嬉しい。

 4人で合計$47と高めだけど、人里離れた観光地って事を考えるとこんなもんだろう。 それに今日は半日トレイルを歩くんだから、朝はしっかり食べておかなきゃね。

 マーケットプラザ内には、スーパーマーケットもある。規模はそこそこ大きいのだが、 昼御飯用に持って行こうと思っていたサンドイッチなどは、それほど沢山置いてない。
サウス・カイパブ・トレイルopen
 Bright Angel Trail(ブライト・エンジェル・トレイル)も良いらしいが、視界が開けるまでは結構歩くらしい。 それよりも、歩き始めて20分くらいで視界の開けるSouth Kaibab Trail(サウスカイバブトレイル)がオススメだと聞き、 往復4.8kmのCedar Ridge(シーダーリッジ)まで歩く事にした。

 マーサーポイントの駐車場にクルマを停め、まずはビジターセンターで情報収集。 パークレンジャーと呼ばれる係員に“今日はシーダーリッジポイントまで行くんだけど、天気は大丈夫だよね?”と聞いてみると、 まず“良いコースを選んだね”と言ってくれる。 ここに限らず、アメリカ人は何でも相手をまず誉める。見習わなきゃなって思います。


 “今はトレッキングのベストシーズンだ。その上に今日はこの晴天、最高のトレッキング日和だよ。天気?全く問題ないよ。楽しんで来てね!!” ハイテンションな対応に、自然とこちらも楽しい気分になる。 トレイルヘッド(出発点)までは車じゃ行けない(車の立ち入り禁止)ので、ビジターセンターから、ヤキポイント行きのシャトルバスに乗る。 運転手さんは親切な人で、色々と説明してくれました。残念ながら、英語なので良くわかりませんでしたが・・・


 壁沿いだろうと、尾根沿いだろうと柵などは一切無し。でも、トレイルの幅は十分にあり、小さな子供も自分で歩いてました。



 歩き始めて25分、一気に視界が開けキャニオンが180度見渡せるようになる。ここにも柵は無し。 “俺は高いところは嫌いなんだ”と言いながら、恐る恐る覗き見るお父さん。岩の向こうは谷底だよ。
シーダーリッジ・ポイントopen
 写真を撮りながら、沢山の人に抜かれながら、あくまでマイペースに歩き続け1時間。景色が良かったので、意外と時間を感じずに到着。 どーーんっと、グランドキャニオンが180度以上の視界で広がります。


 シーダーリッジまで降りてくると、グランドキャニオンの壁を見上げるようになる。 すごい降りてきた気がしたけど、実際にはトレイルヘッドの標高2213m、シーダーリッジ1847mに対し、 谷底のファントムランチは780mだから、全体の四分の一程度しか降りていないことになる。 グランドキャニオンは物凄く深いんだって事が良く分かりました。


 上から見たのと比べると、谷底が近くに見える。 「綺麗」な風景では無いけど、「凄い」風景です。 凄いなんて一言で表現すると、何十億年もかかって出来たグランドキャニオンに失礼だ。って思わせるほどの風景でした。


 ちょうどお昼御飯の時間になったので、ここで食事をとることにした。(マーケットプラザで買ったサンドイッチなど) 大絶景を見ながらのお昼御飯は最高。


 一般的な山登りは目的地にたどり着くまでが大変。そして、帰りは下りのため気楽である。 でも、ここグランドキャニオンでは、行きが下りで帰りが登り。普通の山登りとは逆で帰りが大変。

 そして、サウスカイバブトレイルの風景が良いって事は、言い換えると遮るものが何も無いと言う事。 つまり「影を作るものが無い」と言うことなのだ。 延々続く登り坂。ジリジリ照り付ける太陽。カラカラに乾燥した空気。 5分歩いては水を飲み、10分歩いては小休憩。

 シーダーリッジポイントからの登りはとても大変だったけど、大変さに見合う風景の連続だったと思うし、 グランドキャニオンの大きさを実感できたこのトレイル、非常に良かったです。
ヤキ・ポイントopen
 再びシャトルバスに乗り、トレイルヘッドの次の停留所が、Yaki Point(ヤキ・ポイント)になる。 ヤキポイントまではクルマでは行けないので、そんなに沢山の人はいなくて、静かで良かったのだけど、展望台の直ぐ向こうには木が生えていて、展望を邪魔しているのが残念。

 ここからはシーダーリッジポイントが見えました。 結構下りましたねぇ。でも先述のとおり、谷底までたったの四分の一しか下ってない・・・・。


 ヤキポイントから再びシャトルバスに乗り、「Pipe Creak Vista」のバス停で下車。 リム・トレイルをMather Point(マーサーポイント)まで約2kmの舗装路を歩く。

 所々に視界が開けるところがあり、コロラド川が見えるポイントもあった。 しかし、それは遥か下のほう、ボーっと歩いていると間違いなく見逃すほどの小ささである。
マーサー・ポイントopen
 リムトレイルを歩く事45分ほど、マーサーポイントに到着。 遥々続く大渓谷。全長は446kmもあり、我々が見ているのはグランドキャニオンの一部。 まるで一瞬にして割れたかのような、でも、実際は何十億年もかかって出来た谷。

 とにかく、「凄い」時間かけて、「凄い」大きく深い渓谷が出来たのだ。

 昼は昼で綺麗だが、グランドキャニオンは、やっぱり朝が陰陽がはっきりして綺麗だと思う。 綺麗な朝の写真が無いのが残念だが・・・写真だけが全てじゃない!! 実際に見た風景は、きっと一生忘れないだろう。


 旅行会社のパンフレットの写真は、ここ(マーサーポイント)からのものが多い。と、あるガイドブックに書いてあった。
ブライト・エンジェル・ロッジopen
 今日の宿泊はBright Angel Lodge(ブライト・エンジェル・ロッジ)です。 昨日のカチーナ・ロッジと違って良い感じのロッジだ。 チェックインカウンターも雰囲気ある。 (カチーナ・ロッジは味も素っ気も無いコンクリ作りだった。)


 御土産屋や、レストランも揃っており、ツアー客がお土産を買いにワサワサ来ていた。

 客室は決して広くなく、テレビもエアコンも無く、辛うじてヒーターはあるくらいの質素な作り。 でも、遥々グランドキャニオンまで来たんだ。むしろテレビなんて無くて、自然にドップリつかるのも良いものです。

 何故、昨日と違うところに泊まったかと言うと、同じホテルの予約が取れなかったからです。 5ヶ月以上も前の11月上旬にネットで予約を取ったんだけどね。 でも、違うホテルに泊まれて、それはそれで面白かったです。

夕日open
 グランドキャニオンの夕日を見るにはウエスト・リムからが良いらしい。 ウエスト・リムにはシャトルバスでしか行けないが、環境保護のためなので仕方ない。

 夕日鑑賞はHopi Point(ホピ・ポイント)を予定していたが、意外と早く到着しそうだったので、一つ手前のPowell Point(パウエル・ポイント)で下車し、0.5kmだがリムトレイルを歩いた。

ホピポイントに到着したが、人が沢山いてゆっくり出来そうに無かったので、人ごみを避けてパウエル・ポイントとホピ・ポイントの間のリムトレイルからの夕日鑑賞となった。

 ここは夕日が差す方向に視界が開けるため、ホピ・ポイントよりも綺麗だった、と思うのは、 自分達が見た名も無き「ビューポイント」を美化しすぎ、と言うわけでも無いだろう。
ホピポイントから徒歩2分、オススメだ。


 明るかったキャニオンから徐々に日が落ち、白っぽかった岩が赤く染まると共に、影が伸び陰陽がはっきりしてくる。 日の入り1時間前~30分前が、おそらくグランドキャニオンが最も綺麗に見える時間帯だろう。

 帰りのバスは大混雑だが、ちゃんと係員さんが「あと何台バスが必要」と無線でやり取りしていた。 バスは無料なのに、みんながバスで帰れるように手配しているようで、何故だか妙に感心してしまった。
夕食open
 今日の夕食は、ブライト・エンゼル・ロッジの隣にある「Arizona Room」にて食事となった。

 アメリカのレストランにしては珍しく、サーモンもあったが、パサパサしてイマイチだった。 ステーキはアメリカの標準サイズ(日本だと超特大サイズ)で、お味もまぁまぁ。

 今日は日の出から夕日まで、イーストリムからウエストリムまで、そして上から下からと グランドキャニオンを思う存分に堪能し、そして体感し、身を持ってその大きさを実感した。

 旅の計画を立てている時は、グランドキャニオンで一泊にするか二泊にするか散々悩み、 結果、アーチーズを削り、グランドキャニオンを充実するプランにしたのだが、思い切って二泊にして良かったと思う。

 やはり「見るだけ」ではなく、「体感する」ことが何事においても大事だな。



前の日

この旅行記の
トップ

次の日




ホームページのトップ